適用機種コード:Nobel 1.0A
キャスタブルレジンの性質はロウに近く、溶解後は、灰や残留物を残りにくく、直接にロストワックス鋳造(lost-wax casting)として使用可能で、伝統製法の原型製作手順を省けます。
モデリング時のヒント
キャスタブルレジンの性質は蝋に近いため、造形中、変形または断裂する場合があります。前記の事象を軽減するため、次のパラメーター設定を推奨します。
» 柱構造の厚さ ≥0.6mm
»モデル構造の推奨設計ポイントはここをご参照ください。
ご注意
» 前記値は積層ピッチを0.025mmとした検証の結果です。
» 尖ったもの、または堅いもの使用はタンクの底の破損原因になります。使用しないでください。
レジンボトルの装着
本材料のボトルは、その他の機種との互換性を保つため、細いボトルを採用しています。装着時、ボトルスロットの真ん中に装着するよう、お願いいたします。
ソフトウェア設定
印刷設定に関する推奨事項
一般のレジンの注意事項と同様に、オブジェクトが宙に浮く構造やプラットフォームとの接触面積が小さい場合、オブジェクトにサポート構造を加える必要があります。
「XYZware_Nobel」は「自動サポート」の機能があり、オブジェクトの形に添って自動的にサポート構造を加えることができます。ただし、場合によっては、オブジェクトを完全に印刷するため、「手動モード」でサポートを追加する必要があります。
»サポートの使用方法はここをご参照ください。
造形がうまくできない場合、配置位置の変更、角度の調整およびサポート構造の設定を行ってください。
スライス設定
図に従い印刷設定を行い、「レジンモデル」をF1に設定してください。
中実のものとシェルの薄いものの印刷パラメーターは異なります。最適な印刷品質を得るため、本材料で中実のものを印刷する場合、右側の「ソリッドオブジェクト」をチェックしてください。
ロストワックス鋳造時の温度管理
本キャスタブルレジンでロストワックス鋳造を行う際、下図の推奨温度管理に従う操作を行うと、レジンを確実に型取りができ、完成品はより滑らかに仕上がります。
後処理に関する推奨事項
洗浄
プラットフォームから造形物を取り出した後、濃度95%以上のアルコールで洗浄してください。洗浄時に造形物を網に入れて揺り動かすと、表面に残ったレジンを洗浄しやすくなります。
細かい構造の部分には、スプレーを使用しアルコールを吹きかけることで、より良好なクリーニング効果を得られます。
洗浄後、造形物を取り出し、表面が乾燥するまで放置します。
ご注意
» 本材質は柔らかく、傷がつきやすいため、ブラシで造形物を洗浄しないでください。
» 造形物をアルコール中に10分以上放置しないでください。表面が侵食され、造形物が破損する場合があります。
» 造形物のアルコールに放置した後に色が変わる場合がありますが、型取りに影響はありません。
アルコールの風乾作業
洗浄後の造形物表面にはアルコールが残る場合があります。洗浄後、造形物を放置し、アルコールが完全に乾燥するまで、UV硬化を行ってください。
アルコールが乾燥したら、細かい部分にレジンが残っていないかしっかりと確認してください。オブジェクトの細部をふさがないよう、硬化していないレジンを完全に取り除いてください。
ご注意
» 造形物の表面にアルコールが残った状態で硬化を行うと、造形物の形が変わり、型取りに影響する恐れがあります。
サポート材の除去
工具を使用し、サポート材を切断して除去します。直接引っ張ると造形物の表面に破損を生じることがあります。
二次硬化
キャスタブルレジンは、完全的な型取りを確保するため、造形完成後、UV硬化を行うことが必要です。
造形物を水の中に入れてから5分間二次硬化を行うと、硬化の効果を向上できます。
参考
» 造形物を水の中に入れてから、UVキュアリングで5分間二次硬化を行うことを推奨します。
» UV波長375~405 mm 、放射強度0.9~1.8 J/cm² の照射条件を前提とし、構造の厚さが7 mm を超えるオブジェクトを照射する場合、照射時間は5分間を推奨します。
キャスタブルレジンの保存に関する推奨事項
レジンタンク内の硬化していないレジンに光があたらないようにしてください。フィルターでろ過した後、光を通さない容器内に入れて保存し、次回のプリント前に再度レジンタンク内に入れて使用することもできます。
ご注意
»レジン保管の容器は、光を通さないPP材質の密封容器を推奨します。